嵐図汽車と華為の新型車、東風日産工場で生産へ 合弁の余剰生産能力を活用
界面新聞によると、日産自動車と中国大手自動車メーカー、東風汽車の合弁会社、東風日産が湖北省武漢市に持つグローバル戦略純電気自動車(BEV)「ARIYA(艾睿雅)」の生産ラインで、東風汽車集団傘下の電気自動車(EV)メーカー、嵐図汽車(VOYAH)の新型SUV(多目的スポーツ車)「知音」を生産する計画であることが分かった。合弁工場の余剰生産能力を活用する狙いという。
界面新聞が、中国工業情報化部の新車申告カタログから、嵐図汽車の新型SUV「知音」の生産住所が湖北省武漢経済技術開発区竹山街雲峰大道8号であることが分かり、この住所は東風日産の雲峰工場がある場所で、東風日産のBEVモデル「ARIYA」の生産拠点だという。
財聯社によると、「知音」は嵐図汽車と華為(ファーウェイ)と進める新車プロジェクトで、すでに生産検証段階に入り、今年の第4四半期(10〜12月)にも発売される予定だ。
公式宣伝資料によると、「知音」には「最新のスマート運転機能」が搭載されるという。嵐図汽車は6つのバージョンを公表しているが、いずれも高性能センサー「LiDAR」を搭載していない。華為がスマートドライビングソリューションを提供するモデルであれば、純粋に視覚的なルートを取る可能性があるとされている。また電池には、リン酸鉄リチウム電池(LFP)を採用する。
嵐図汽車と華為は今年1月、戦略的提携を発表した。最初のBEV車種はSUVモデルだとしていた。
データによると、嵐図汽車の2024年5月の新車納入台数は前年同月比51%増の4521台だった。1〜5月の累計の新車納入台数は前年同期比2倍の合計2万4900台だった。
■工場稼働率は19%か
一方、東風日産の販売は低迷を続けている。 中国自動車業界団体、全国乗用車市場信息聯席会(CPCA)のデータによると、東風日産の5月の販売台数は6万2000台だった。
長江日報が開示した情報によると、2023年に完成・受入れ予定の東風日産の雲峰工場の年産能力は最大30万台。「ARIYA」のほか、日産の「エクストレイル(奇駿)」と「エクストレイル(奇駿)e-Power」の3車種を生産しているが、これら3モデルの昨年の卸売販売台数は5万7000台で、工場の稼働率は19%と低かったという。
嵐図汽車の関係者は「東風の工場能力を利用することで、嵐図汽車の急速な大規模生産を促進できるだけでなく、同時に規格と品質の信頼性を保証することができる」と、界面新聞に語っている。