(500×80px)(450×80px)(460×80px)(470×80px)(2).png "AAiT")
スマホ向けカメラ用画像センサー、中国国産チップが存在感
スマートフォンのカメラ用画像センサー（CIS）の分野で、中国国産チップが存在感を放っている。業界ツートップのソニーとサムスン電子は2022年以降、中国でのシェアが縮小しており、中国メーカーにシェア拡大の商機や、自社製品の市場受容性を図る機会を与えている。
豪威科技（OmniVision）の旗艦CISチップ「OV50H」は、2023年第4四半期（10～12月）以降、中国国内の大部分のスマホメーカーがハイエンドモデルのメインカメラ向けに採用した。OV50Hは、50MP(5,000万画素)の1/1.31インチセンサーで、華為（ファーウェイ）が23年に発売したハイエンドスマホ「P60 Pro」に搭載された1/1.41センサーよりもサイズが大きく、イメージング効果を一段と引き上げた。
思特威上海電子科技はこれまでに、SC550XS、SC520XS、SC580XS、SC5000CSなど、高機能スマホ向けCISを数多く投入した。ハイエンドモデルのXSシリーズも大量出荷の段階に入り、フラッグシップモデルとなる50MP（画素ピッチ1.0μm以上）センサーの「SC550XS」は市場から良好な反応を得た。
格科微電子（GalaxyCore）も、32MピクセルCIS製品を含む高解像度CISが好調だ。先ごろ、50MP超高解像のGC50E0を発表した。
フランスの市場調査会社Yole Groupが発表した2022年版世界CIS市場リポートによると、同年のCIS市場は、ソニーがシェア42％でトップ、サムスンが19％、豪威科技が11％で続いた。カナダの技術調査会社Techinsightによると、23年はソニーがシェアを58％に高め、サムスンも20％以上まで回復。豪威科技は7％にシェアを落とした。
豪威科技のシェア縮小は、超高解像センサーを巡る先の技術競争において、サムスンに対抗して重点開発を進めた64MP製品が市場の主流とならなかったことが要因とみられる。足元ではソニーに対抗して、50MP製品のシリーズ展開を拡充している。華為のハイエンドスマホが好調な売れ行きを持続していることからみて、24年は失ったシェアを徐々に奪回していくとみられる。
