中国が製造業デジタル化推進、モデル都市に補助金3億元
中国政府は製造業のデジタル化を推進する新たな支援制度を導入する。ロボット、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)など先端技術を活用した新しいタイプの技術改造を進める「モデル都市」を選抜し、最大3億元(約63億円)の補助金を支給する。
財政部、工業情報化部は3日、「製造業の新型技術改造都市モデル事業に関する通知」を発表した。
同通知によると、中央財政がモデル都市を選定した上で都市ごとに助成枠を定め、モデル事業推進1年目にその50%を給付。実施期間満了後に審査を通過すれば残りの50%を支給する。
認定都市のモデル事業は、工場のデジタル化・スマート化を推進する「点」と、サプライチェーン(供給網)のデジタル化を推進する「線」、産業クラスターとサイエンスパークのデジタル化・環境負荷削減を推進する「面」を組み合わせた内容とし、デジタル・スマート技術、地球環境を守るグリーン技術、および革新的製品の開発、応用を促す。
中国の重要政策を決める今年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)での李強首相による政府活動報告は、製造業の技術改造をバージョンアップさせる事業を推進していくと示された。大規模な先進製造業群を育て、伝統産業のハイエンド化、スマート化、グリーン化への転換を促し、国際影響力をさらに高めた「中国製造」ブランドを確立させるとしている。
製造業の新型技術改造は地方レベルでも実施政策の発表が相次いでいる。
広東省は、製造業において1万社超の技術改造と、9200社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めると発表。河南省は、新型インフラ、新技術、新素材、新設備、新製品、新業態の「6つの新」をベンチマークとした新型工業化を進めて、製造業の質的発展と、テクノロジーの革新を実現するとの政策を打ち出した。
北京市は、製造業デジタル化の3カ年計画を発表し、2026年までに市内の一定規模以上の製造企業のデジタル化レベルを一定値に到達させる目標を掲げた。浙江省は、製造業のデジタル化・スマート化・グリーン化への技術改造を支援していくと表明した。