ベトナム、半導体分野のエンジニア5万人育成へ
ベトナムが半導体分野のエンジニアを5万人に増やす。自国内でエンジニアを育成することで、半導体産業の基盤を構築し、米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)など海外半導体メーカーの投資を加速させる。
ベトナムのグエン・チ・ズン計画投資大臣はこのほど、ベトナムは2045年までに世界半導体産業のバリューチェーンにおいて重要な一角を占めるようになり、自国半導体産業の発展に不可欠なエンジニアと専門家のニーズを質・量ともに満たせるようになると述べた。
ズン大臣はこのほど開催された「半導体業界の短期・長期的な人材資源発展案」の意見交換会で、ベトナム計画投資省が今後、同計画案をブラッシュアップし、3月中に政府に提出する方向で準備していると説明。30年までに国内のエンジニア人材が先進半導体回路の設計プロセスに深く関わっていくという目標の早期実現に意欲を示すと同時に、半導体のパッケージング・テスト(封止・検査)工程の一部技術を掌握し、関連エンジニア5万人を育成する計画を明らかにした。
「半導体製造強国」を目指すベトナムにとっての喫緊の課題は、エンジニア不足の解消だ。ベトナムの政府系サイトによると、同国の半導体エンジニア数は23年末現在で約5500人余りと、年間最大需要である1万人の2割にとどまっている。
こうしたなか、すでに複数のグローバル半導体企業がベトナムで人材育成プログラムを進めている。独シーメンスは2月27日、ホーチミン市直轄トゥードゥック市にあるサイゴンハイテクパーク(SHTP)との間で、半導体回路産業の人材育成に関する協定を交わした。
NVIDIAを始めとする海外半導体企業はベトナム事業の拡大を狙っている。米Intel(インテル)も同国に世界最大の組み立て・検査拠点を構築している。