米テスラ、上海ギガファクトリー第3期拡張計画を再始動か
中国の自動車専門メディア「晩点 Auto」の6日報道によると、米電気自動車(EV)大手のテスラは、上海市のEV生産工場「ギガファクトリー」の第3期拡張計画を再始動させることを検討しているもようだ。テスラは2021年に同拡張事業の準備に着手したが、22年に計画の延期を決めたとみられている。
上海ギガファクトリーは「Model 3」と「Model Y」を生産しており、現在の年間生産能力は約110万台。米ブルームバーグの今年1月の報道によると、テスラの第3期拡張計画は同生産能力を約2倍の200万台に引き上げる内容だ。
テスラの今年第3四半期(7~9月)の新車販売台数は前四半期比6.7%減少し、第1四半期(1~3月)に62%だった米国での電動車販売シェアは50%を割り込んだ。業界競争がよりし烈な中国市場でも、BYDや小鵬汽車といったライバル社が高スペック・低価格の新型車を続々と投入するなか、発売から6年が経過した「Model 3」と同4年が経過した「Model Y」は発売当時のような競争力をすでに持たない。
テスラ車の今後の躍進は、テスラが2020年に発売予告した販売価格2万5,000米ドル(約363万円)の次世代モデルに委ねられる。同モデルは、2030年の年間販売台数を2,000万台に到達させるテスラの目標達成の鍵を握ると製品になるとみられている。
業界関係者は、第3期拡張工事が順調に進めば、上海ギガファクトリーの生産の重点はこの新型車になるとの見方を示した。
上海ギガファクトリーは、テスラが世界に構える完成車工場の中で最も生産効率が高い。完成車1台当たりの所要時間は、テキサス工場の76秒に対し、上海ギガファクトリーはわずか37秒だという。