TCL科技もチップ開発撤退か、傘下会社が解散の情報
中国ディスプレーパネル大手のTCL科技集団(広東省恵州市)が半導体の自社開発を断念したもようだ。中国著名企業によるチップ自主開発断念は、通信機器製造のOPPO(オッポ)、吉利汽車傘下のスマートフォン事業会社である湖北星紀時代科技(星紀魅族)に続く3社目となる。芯智訊が伝えた。
業界内の情報によると、TCL科技は傘下の半導体設計会社「摩星半導体(広東)」をすでに解散した。中国の企業情報サイト「企査査(Qichacha)」によると、摩星半導体は2021年3月に資本金1億8,000万元で広州市に登記された。半導体集積回路チップの設計、開発、製造、販売、アフターサービスを手掛ける。
摩星半導体の従業員が明らかにした情報によると、11月21日午後1時に経営陣が全従業員を招集し、企業解散の事実を直接伝えたという。従業員は当日に会社を離れたといい、リストラ規模は上海と深センの支社を合わせ100人に迫った。
別の従業員は、高すぎる人件費が解散原因となった可能性があると推測した。同社は韓国、台湾などから年俸100万元以上を条件に多くのエンジニアを獲得したが、高額人件費の投入が開発事業の成果に反映されていなかったという。
TCL科技は摩星半導体の解散のうわさについてコメントを控えた。
TCL科技はすでに、別の半導体子会社「TCL半導体」の登記を抹消している。
オッポは今年5月、3,000人の開発人材を擁する哲庫科技の解散を発表し、半導体チップの自社開発・製造から撤退している。