米NVIDIAの最先端半導体、中国「闇市場」で高値売買

中国のSNSで検索すると「A100」の入荷情報が多く出てくる(小紅書よりキャプチャ)

中国の半導体メディア『芯潮IC』は7日、米国の対中半導体規制の下で禁輸対象となっている米NVIDIA(エヌビディア)の最先端半導体が、規制をすり抜けて中国の「闇市場」に流入している実態を伝えた。エヌビディアの人工知能(AI)用GPU(画像処理半導体)「A100」が25万元(約518万円)もの高値でSNSサイトなどを通じてこっそりと取引されているという。

芯潮ICの追跡調査によると、「A100」は今年2月ごろから、中国国内の非正規ルートを通じて流通するようになった。当初の取引価格は4万元程度だったが、「ChatGPT」をきっかけとする世界的な生成AIブームの高まりを背景に、5月ごろから急上昇し、最高値は25万元に迫るまでに跳ね上がった。

業界関係者は、GPUサーバーは通常、8枚のグラフィックカードが必要となることから、最高値の25万元で計算すると、「A100」の密輸チップを搭載したサーバー1台の価格は200万元に迫ると試算した。

6月ごろからは、「A100」の後継となる「H100」も中国の闇市場で取引されるようになったという。

情報筋によると、「A100」や「H100」を闇市場で販売する業者は中国南部の出身者が多く、米国外で買い付けた製品を中国内の指定した場所に密輸し、保障やサポートなしで販売している。これらの密輸品は、半導体関連の情報交換を行うコミュニティサイトのほか、ECサイト「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」やSNS動画サイト「小紅書(RED)」、さらにはフリマアプリ「閑魚」で販売されているという。

米商務省は昨年10月、演算能力4800TOPS(1秒間に4800兆回)またはデータ伝送速度600GB/s(1秒間に600ギガバイト)以上の半導体の対中輸出を原則禁止した。これにより、エヌビディアは、生成AI用GPUチップである「A100」と「H100」を中国の顧客に出荷できなくなった。

美国出口禁令之下,20多万元的“天价芯片”流入黑市

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