小米がEV参入か、否定せず
中国スマートフォン大手の小米科技(北京市、シャオミ)が、電気自動車(EV)事業への参入を検討しているもようだ。創始者の雷軍氏がEV事業の指揮を執るとみられている。19日付晚点LatePostが伝えた。
小米集団は21日、報道を受けて「EV市場の成長を注視しているものの、正式にプロジェクトを立ち上げる段階ではない」とコメントし、参入には否定的だったこれまでと異なる姿勢を示した。
雷軍氏は2015年と16年にそれぞれ中国自動車メーカーの上海蔚来汽車(上海市、ニーオ)と小鵬汽車(広東省広州市)に出資したほか、20年にはコネクテッドカーの上海博泰(上海市、Pateo)と提携し自社名を入れた商標「小米車聯」を取得した。企業調査アプリの天眼査によると、小米科技が保有する自動車関連の特許は134件にも上る。
市場では、小米科技が競争が激しいEV業界に参入するのは賢明ではないとする見方がある一方、証券市場コンサルティングの港股研究社は、小米がスマートフォン製造で構築してきたサプライチェーン管理システムは高度化しており、EV製造でも優位になると分析している。
EV業界に参入するIT企業は増えている。すでに中国インターネット検索最大手の百度(北京市、バイドゥ)は1月、自動車大手の浙江吉利控股集団(浙江省杭州市)と戦略提携し、自動運転技術を搭載したEVの製販に乗り出すと発表した。中国の電子商取引(EC)最大手、阿里巴巴集団(アリババグループ)や米アップルもEV事業に参入する動きをみせており、EV業界での競争は激化する見通しだ。