カナダ政府、米GMと韓国ポスコの電池材料合弁会社に3億カナダドル補助
カナダ政府は5月29日、カナダ政府とケベック州が、米ゼネラル・モーターズ(GM)と韓国ポスコケミカルが電池の正極材を生産するカナダケベック州の合弁の電気自動車(EV)用の電池正極材工場にそれぞれ約1億5,000万カナダドル(約153億9,000万円)を補助すると発表した。
GMとポスコケミカルは2022年5月、北米向けに出荷するEV用の電池正極活物質(CAM)を生産する合弁会社、Ultium CAMをケベック州に設立すると発表。資本金は3億2,700万米ドル(約457億4,700万円)で、出資比率はポスコケミカルが85%、GMが15%。総額6億米ドルを投じて年産規模3万トンの工場を建設する計画。25年までの稼働開始を目指しており、主に米国にあるGMのウルティウムセルズ工場向けに、年間数千トンの材料を生産する予定。 この工場で生産されるCAMは、「Chevrolet Silverado EV」、「GMC Hummer EV」、「Cadillac LYRIQ」などのEVモデルに搭載される電池に使用される。同工場は現地で約200人の雇用を創出する見通し。
カナダはリチウム、ニッケル、コバルトなどの鉱物の採掘産業が盛ん。世界が二酸化炭素(CO2)排出量の削減を目指す中、数十億ドル規模のグリーンテクノロジーファンドを通じて、EVのサプライチェーンに関わる企業を誘致している。