米半導体補助金の規則案、中国での生産拡大を制限
米商務省は21日、「半導体・科学法(CHIPS法)」で規定した政府補助金の受給を巡る細部規則案を公開した。補助金の受給企業を対象に、中国での半導体工場の新増設を制限する内容で、先端半導体については生産能力を5%以上拡大することを禁じるほか、生産能力拡大を目的とした10万ドル(約1,307万円)以上の投資も禁止する。
汎用性の高い半導体についても、生産能力を10%以上拡大することを禁じる。ロサンゼルス・タイムズは、同案が採択されれば、台湾積体電路製造(TSMC)、サムスン電子、米インテルといった中国で事業展開する大手半導体企業をさらに締め付けることになるとの見方を報じた。
一方、ブルームバーグは関係者の話として、「(規則案は)生産拡張を制限しているものの、中国商務部の許可を得れば、5~10%の上限線内で既存の中国内生産設備の技術アップグレードに向けた投資は可能になる」と指摘した。
事実、米国が打ち出した規則案は、中国半導体事業の“実質的な拡張”を「生産能力の量的な拡張」と定義しており、海外企業の中国での事業展開に逃げ道を残した格好だ。
韓国メディアの報道によれば、韓国政府は、「(韓国企業の中国からの撤退など)最悪の状況は避けられた」と表明。李昌洋(イ・チャンヤン)産業通商資源相は、「さまざまな懸念から生じた不確定性が消え去った。韓国企業は中国の半導体生産設備の維持や部分的な増設が可能なだけでなく、技術アップグレードも可能だ」との認識を示した。