米CHIPS法の受益者、中国での新規投資10年禁止

米商務省は現地時間2月28日、530億米ドル(約7兆2,387億円)規模の半導体産業補助金プログラム(「CHIPS法」)の対象となるための具体的な条件を発表した。すべての受益者に課す内容の一つとして、「中国もしくはその他の関連国家での半導体製造能力の拡張を伴う重要な取引を行わないことを商務省と合意する」との文言を盛り込んだ。

この制限措置は先進的な半導体製造に利用される装置の新設が対象で、補助金受給後10年間にわたって続く。半導体メーカーの今後の投資重点を米国やパートナー国に向かわせる意図がある。

CHIPS法に基づく支援を受ける企業は、懸念国での投資計画を米国に報告することを商務省と合意しなければならず、合意に背けば米政府から受けた補助金を全額没収される可能性もある。

中国での事業展開が長い台湾積体電路製造(TSMC)、インテル、サムスンなどの半導体製造大手はいずれも米国工場の建設計画を発表し、建設コスト負担を減らすため、米政府からの補助金獲得を目指している。しかし補助金を得るためには、今後10年は中国での先進半導体投資ができなくなる。米国が昨年10月に導入した半導体技術の対中国輸出規制と合わせ、半導体大手の中国での生産拡大の道を閉ざすものとなる。

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