中国テック企業、「対話型AI開発」レース号砲
中国のテック企業が対話型人工知能(AI)の開発を急いでいる。わずか2カ月間の史上最速で利用者が1億人を突破した米オープンAIの「ChatGPT(チャットGPT)」に続こうと、各社が自社プロジェクトを宣伝。“中国版ChatGPT”の主導権争いが白熱化している。
百度(バイドゥ)は2月、AIを使ったチャットボット(自動応答システム)「文心一言(アーニー・ボット)」のサービスを3月に開始すると発表した。これに続くように、騰訊(テンセント)、アリババ集団などもチャットボットの開発状況を続々と公表した。TikTokを運営するバイトダンス(字節跳動)のAIラボが「ChatGPT」やAIGC(人工知能生成コンテンツ)に類似した技術開発を進めているとの情報も伝わった。
AI投資の第一線を走るベンチャーキャピタル(VC)・プライベートエクイティ(PE)は、AI大規模言語モデルと“中国版ChatGPT”を注視。多くの投資関係者が「中国に独自のAI大規模言語モデルとChatGPTが誕生するのは必至」との認識を示した。
毎日経済新聞によると、創世伙伴資本(CHINA CREATION VENTURES)は、「中国は膨大なデータや、強いAIモデル開発力、優秀なAIエンジニアを有しており、中国版ChatGPTを生み出す条件を備えている」と述べた。
華人文化産業投資基金(チャイナ・メディア・キャピタル、CMC)の理易然総経理は、中国独自のAI大規模言語モデルの創造について、「リソースと時間の問題だけであり、そう遠くない未来に実現できる」と楽観。「AIモデル構築に関する学術交流は開放的かつ活発化しており、投資決定においては、それらを参考にできる」と述べた。