米クアルコム、AIアクセラレータ2種類を発表=データセンター事業を加速

米半導体大手のQualcomm(クアルコム)は27日、データセンター向けのAI(人工知能)アクセラレータ2種類を発表した。これらの新製品は2026年から順次商用化される予定で、スマートフォン事業に依存しない多角化を進め、急成長中のAIインフラ市場への進出を強化する狙いがある。
新アクセラレータの名称は「AI200」と「AI250」で、いずれもメモリ容量を拡張し、高度なAIアプリケーションや推論処理の効率を高めるよう設計されている。AI200は26年、AI250は27年の市場投入が予定されている。
クラウド事業者や半導体メーカー、各種企業が生成AIや大規模言語モデル(LLM)、チャットボットなどを支えるインフラ構築を急ぐなか、AIチップ分野への世界的な投資が急増している。しかし現状では、NVIDIA(エヌビディア)製のチップが市場の主導的地位を占めている。
クアルコムはAI事業の強化に向けて、25年6月にデータセンター向け半導体技術を開発する英Alphawave社を約24億ドル(約3,600億円)で買収することで合意。また、同年5月には、エヌビディアの技術を利用してAIチップと連携するデータセンター向けカスタムCPUの開発計画も明らかにしている。
同社によると、新チップは汎用的なAIフレームワークや各種開発ツールをサポートし、ソフトウェア面でも高度なサポートを提供する設計となっている。さらに、企業がAIシステムを導入・運用する際の総保有コスト(TCO)の削減にも貢献できるとしている。



