SMICの1~3月期、売上高は22.4億米ドルと市場予想を下回る

中国の半導体受託生産(ファウンドリー)最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)が8日発表した2025年第1四半期(1〜3月)期決算は、売上高が前年同期比28.4%増の22億4700万米ドル(約3268億5900万円)で、市場予想の23億6000万米ドルを下回った。粗利益率は22.25%で、市場予想の19.1%を上回った。
同期のウエハー出荷量(8インチ換算)は前期比15.1%増の229万2000枚に増えたが、平均出荷価格は11.5%低下の980米ドルだった。8インチウエハーの出荷比率が高まったことが、平均価格の低下につながった。
売上高を商品別にみると、消費財の買い替えを推進する補助金政策を追い風に、民生用電子機器向けが前月比5.8%増えて、3四半期連続で8億米ドル台を維持した。工業・自動車向けの売上比率も上昇を続け、9.6%に到達した。
地域別では、最大の中国市場の売上比率が84.3%に縮小した。トランプ米大統領の対中関税政策の影響で、海外の顧客が予定を前倒しして在庫積み増しを進めたことが相対的に中国市場の縮小につながった。米国での売上高は前月比44%、欧州・アジアでの売上高は同58%ずつ増加した。
同社の粗利益率は20%前後で、ファウンドリー世界大手の台湾積体電路製造(TSMC、台積電)の58.8%と大きく乖離している。年間70億米ドルを超える設備投資が継続されており、製品単価に対する減価償却コストの比率は約35.6%に達した。設備投資を見直さない場合、粗利益率の改善は難しいとみられる。
一方で、会社が示した第2四半期(4〜6月)の業績予想は、売上と利益率ともに低下する「二重の下落」の見通しだ。今回の成長を支えた8インチ分野は、米中貿易摩擦や関税リスクに備えた海外顧客の先行発注による一時的な特需とみられている。そのため、これを除外すると、中国国内市場も政策支援こそあれ、下流需要は依然として鈍化傾向にあり、第2四半期の業績低下はある意味で予想通りと言える。

SMIC REPORTS UNAUDITED RESULTS FOR THE THREE MONTHS ENDED MARCH 31, 2025