レノボ、サウジ政府系ファンドから20億米ドル戦略投資
サウジに製造拠点を建設へ
中国のパソコン最大手の中国の聯想集団(レノボ、北京市)は29日、サウジアラビアのAlat Enet(アラット・エネット社)から20億米ドル(約3144億2000万円)の戦略投資を受け、 サウジアラビアに中東・アフリカ市場向けの地域本部を設立するほか、PCとサーバーの製造拠点を新設すると発表した。
レノボは、サウジアラビアの公共投資基金(PIF)傘下のAlat Enetと戦略的協力枠組みと、レノボがAlat Enetに対して20億米ドルの転換社債を発行する社債引受契約を締結したと発表した。合意によると、レノボは首都リヤドに中東・アフリカ市場向けの地域本部を設立し、同地域向けのカスタマーセンターと研究開発(R&D)センターを設置する。さらにサウジアラビアにPCとサーバーの製造拠点を新設し、レノボ・グループのグローバル製造レイアウトをさらに拡大する計画だ。
米調査会社IDCによると、中東・アフリカ地域の情報技術および企業向けサービス市場規模は、2027年までに380億米ドル近くに達すると予想されている。レノボは市場動向に合わせ、20億米ドルの資金はレノボのソリューションやサービス・プロバイダーとしての事業を推進するものに充てるとしている。
毎日経済新聞によると、レノボ・グループの楊元慶会長兼最高経営責任者(CEO)は「今回の戦略的提携により、レノボ・グループはより多くのリソースと財務の柔軟性を手に入れ、中東・アフリカ地域の巨大な成長機会を活用し、事業を拡大することができる」と指摘し、「将来的には、サウジアラビアに新たな技術・製造拠点を建設し、同地域が未来のイノベーションセンターに発展するよう支援する計画だ」と話した。
Alat Enetは24年2月1日の設立。主要戦略事業分野は半導体やスマートデバイス、スマートビル、スマート家電、スマートヘルスケア、次世代インフラ、AI(人工知能)など。
レノボ・グループは現在までに、海外ではアルゼンチン、ブラジル、ドイツ、ハンガリー、インド、日本、メキシコ、米国など30以上の製造拠点を有している。第一財経によると、レノボが中東のPC市場に参入したのは比較的遅い2005年で、IBMなど早期参入した海外PCブランドとの激しい競争に直面した。レノボは現在、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに中東地域最大のオフィスを構え、約150人を擁している。 サウジアラビア拠点の従業員数は約40人。
STRATEGIC COLLABORATION WITH ALAT AND PROPOSED ISSUANCE OF CONVERTIBLE BONDS UNDER SPECIFIC MANDATE