中国研究チーム、量子コンピューター2種方式で量子超越性
世界初の快挙
中国の研究チームが、「超電導方式」と「光量子方式」という量子コンピューターの2種方式のハードウエア開発で、ともに量子超越性を達成した。これにより中国は世界で初めて、2種の物理システムにおいて量子コンピューターによる量子超越性を達成した国となった。中国科学技術大学から得た情報として、26日付騰訊網が伝えた。
中国科学院量子情報・量子テクノロジー・イノベーション研究院の研究チームはこのほど、超伝導量子ビット数が66ビットの量子コンピューティングのプロトタイプ「祖冲之2号」を構築。乱数を生成する「ランダム量子回路サンプリング」という問題の高速計算を実現させた。計算速度は、現時点で最も速いスーパーコンピューターの1,000万倍、計算の複雑度は、量子ビットを54個搭載するグーグルの量子プロセッサ「Sycamore」の100万倍に達した。
これにより中国は、光量子コンピューターのプロトタイプ「九章」による量子超越性の達成に続き、超伝導量子コンピューターでも量子超越性を達成したことになる。
さらに同研究チームは、光量子コンピューターのハードウエア開発でも大きな前進を得た。中国科学院上海微系統所・情報技術研究所などと共同でこのほど、113光子144パターンの量子コンピューターのプロトタイプ「九章2号」を構築。量子超越性のデモンストレーションに用いられる特定問題の高速処理に成功した。処理速度は現在最速のスーパーコンピューターより10の24乗速く、光量子コンピューティングのプログラミング技術と計算能力を向上させた実証を示した。