中国でロボット向け精密減速機の市場拡大、25年に91億元へ

中国でロボット向け精密減速機の需要が拡大している。特に可動部分が多いヒューマノイドロボット(人型ロボット)では十数個の減速機を搭載するケースもあり、市場は2025年に91億元(約1,902億円)に拡大すると予測されている。

国際ロボット連盟(IFR)は、中国の産業ロボット向け精密減速機の市場規模は2025年に91億元(約1,902億円)に拡大すると予測しており、22~25年のCAGR(年平均成長率)は21%に達する見通し。さらに、実現に向けて開発が進むヒューマノイドロボット(人型ロボット)は減速機の需要がさらに大きく、米Tesla(テスラ)がの第2世代人型ロボット「Optimus Gen-2」は、1台で16個もの減速機を搭載している。

ロボットを支える精密減速機「波動歯車装置」の分野で、中国をリードするのは緑的楷波だ。2011年設立の同社は、精密伝動装置の開発、設計、製販を手掛け、製品は産業ロボット、サービスロボット、デジタル制御の工作機械、医療機器、航空・宇宙などの領域で応用されている。同社製の波動歯車装置は、埃夫特智能装備(EFORT)、瀋陽新松機器人自動化(SIASUN)、南京埃斯頓自動化(ESTUN)、優必選科技(UBTECH)、ユニバーサルロボットなどの内外ロボットメーカーが採用している。

寧波中大力德智能伝動も中国の精密減速機トップメーカーの1社。2006年の設立当初から減速機の開発を手掛け、「遊星歯車減速機」「波動歯車減速機」「内接式遊星歯車減速機」の主要3種の減速機を量産する能力を備える。深セン市伯朗特智能装備(BORUNTE)、深セン市匯川技術(Inovance Technology))、広州数控設備といった産ロボメーカーを顧客に持つ。

ギア、シャフトを製造、販売する浙江双環伝動機は、2012年にRV減速機の開発に着手し、14年にロボット専用RV減速機の開発プロジェクトを起ち上げ。18年にRV減速機の量産を実現し、20年ロボット用減速機の開発・生産に専念する子会社「環動科技」を設立した。調査会社、高工産業研究院(GGII)の統計によると、同社は中国製RV減速機の分野で2020年から22年までの3年連続でトップとなり、22年の国内シェアは15%だった。

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