華為、20年通期は3.2%増益=中国事業が下支え
中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が3月31日に発表した2020年12月期本決算は、売上高が前年比3.8%増の8914億元、純利益が3.2%増の646億元だった。中国部門の成長が、米制裁の影響を受けた海外部門の落ち込みを補った。
中国事業は15.4%増収の5,849億元。中国で急ピッチに進む5G(第5世代移動通信システム)通信網の構築事業や、企業のデジタル化が追い風だった。消費者向け事業では、パソコン、タブレット、ウェアラブル端末、スマート端末などで構成される、便利で快適な生活を提案する「IoT(モノのインターネット)ハードウェアエコシステム」戦略を強化した。
一方、海外事業は減収。米国によるファーウェイに対する事実上の禁輸措置が消費者向け事業に影響し、米国での売上高は24.5%減の396億元に落ち込んだ。
部門別の売上高は、法人向け事業が23%増の1,000億元超、通信キャリア向け事業が0.2%増の3,026億元、消費者向け事業が3.3%増の4,829億元。
20年に投じた研究開発費は過去最多の1,419億元。売上高研究開発費比率は前年比0.6ポイント高い15.9%だった。過去10年の研究開発費は7,200億元あまりに積み上がった。研究開発人員は全従業員の53.4%を占める10万5,000人に増えて過去最多となった。
研究開発に多額の資金を投じているファーウェイが保有する特許は、20年末時点で10万件超。その9割強を発明特許で占めている。
ファーウェイが20年に従業員に支払った年間の給与、ボーナス(賞与)、福利費の合計は1,391億元。世界170カ国・地域の全従業員19万7,000人の1人当たり平均は70万6,000元となり、前年よりもやや増加した。月間給与額は1人当たり平均5万8800元だった。