バイトダンスが自動運転分野に進出か、軽舟智航に2,500万米ドル超出資
動画投稿アプリ大手「TIKTOK(ティックトック)」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)が、自動運転の研究開発(R&D)をする米国のベンチャー、軽舟智航(QCRAFT)に2,500万米ドル(約27億円)を超える出資をする見通しだ。今回の融資で、バイトダンスは自動運転分野への進出を狙うとみられている。4日付蓋世汽車網が消息筋の話として伝えた。
軽舟智航は2019年3月、米国シリコンバレーで設立。北京市にも法人を持つ。グーグル傘下の自動運転開発企業WAYMO、電気自動車(EV)メーカーのテスラ、大手自動車メーカーのフォードなどで経験を積んだ中国人エンジニアたちが参画する新興企業。米国で自動運転路上テストライセンスを取得、自動運転レベル4(高度運転自動化)の技術を持つ。現在、米国や北京、深セン、蘇州など多くの都市で自動運転車行動走行試験や運営を行っている。
同社は20年10月、江蘇省蘇州市の相城区では、通信大手の中国移動通信集団(北京市、チャイナ・モバイル)と軽舟智航が共同で開発した中国初の常設運用型の自動運転路線バス(ROBOBUS)の営業を開始。第5世代移動通信システム(5G)などの技術により、道路標識や工事区域、異常走行車両などの情報を把握している。
同年12月には、広東省深セン市で「ROBOTAXI」の技術で製造した、自動運転バス「龍舟ONE」が正規化運営を開始、中国初の自動運転バス「1カ月パスポート」を発売。また、軽舟智航が自社開発した、無人化プログラム「DRIVEN BY QCRAFT」は、地下鉄のシャトルバス、マイクロ循環バス、スポット観光など、都市の複雑な交通環境に適応している。
自動運転を支えるのは、360度(全方位)検知、5G+車とモノとの通信(V2X)など5つのシステムや、5G+データ、高効率運営など3つのセンター、ハードウエア表示などプログラムのツール。バイトダンスは今後、自動運転分野のR&Dに参画する見込みだ。