インフィニオン・クアルコムなどがRISC-Vチップ会社設立を計画、Arm・Intelに対抗

半導体大手の独インフィニオン・テクノロジーズ(Infineon Technologies)、米クアルコム(Qualcomm)、ノルウェーのノルディックセミコンダクター(Nordic Semiconductor)、オランダのNXPセミコンダクターズ、ドイツの自動車部品大手、ボッシュ(BOSCH)の5社は4日、オープンな命令セット・アーキテクチャ(ISA)「RISC-V(リスクファイブ)」技術に特化した新会社をドイツに設立すると発表した。新会社はまず自動車向けチップの開発に注力し、将来的にはスマートフォンやIoT(モノのインターネット)向けにも拡大する。

声明で、「RISC-Vの核心はイノベーションを奨励することであり、RISC-Vのさらなる採用はエレクトロニクス業界の多様性を促進し、中小企業の参入障壁を下げ、大企業が事業を拡大する機会を増やすことにつながる」と説明。 業界団体、企業、政府に対し、RISC-Vの開発を支援し、半導体エコシステムに協力するよう呼びかけた。

RISC-Vはカリフォルニア大学バークレー校の研究チームによって開発・発表され、2011年5月に最初のバージョンが正式にリリースされた。 命令セットは、基本命令セットに拡張命令セットを組み合わせた非常にシンプルな設計で、オープンソースのアーキテクチャであるため、誰でもコストをかけずに設計に使用することができる。

現在、IoT、車載用チップの主流として多く採用されているのが米ARMの命令セットアーキテクチャ「ARM」や米Intel(インテル)の「x86」だが、高額のライセンス費用を支払う必要があり、IoT分野に参画したい企業にとって、障壁ともなっている。

現在、RISC-Vは大きく市場が成長している。市場調査機関Market Decipherのデータによると、RISC-Vチップの世界累計出荷数は22年時点で30億個、25年までに累計出荷数は624億個に達すると予想されいる。

Leading Semiconductor Industry Players Join Forces to Accelerate RISC-V

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