騰訊、独自開発のロボットハンドとロボットアームを公開

騰訊のロボットハンドシステム「TRX-Hand」(同社リリースより)

中国のネットサービス大手、騰訊控股(テンセント、広東省深セン市)のロボット研究専門組織「騰訊機器人実験室(Tencent Robotics X)」は26日、独自に開発したロボットハンドシステム「TRX-Hand」とロボットアームシステム「TRX-Arm」を公開した。介護現場などでの活用を視野に入れ、より緻密で繊細な動きを実現したとしている。

「TRX-Hand」は3本指タイプで、複数センサーで補い合って周辺状況を認識できるマルチセンサーフュージョン機能を搭載。人が目を閉じたまま前に置かれた物を手にできると同じように、極めて正確なミッションを遂行できる。

「TRX-Arm」は日常生活支援を目的に自主開発した。人間と同じ7自由度を持つ高性能ロボットアームで、最大荷重6kg、最大動作速度7.4m/s、最大加速度44.5m/s²。

騰訊によると、ロボットは、(1)「知能」のレベルに応じて決まった命令しかこなせないプログラム型ロボット、(2)周囲を感知する適応型ロボット、(3)自分で学習して判断する知能型ロボットの3段階に分けられる。 工場ラインのロボットやラーメンロボットなどは第1段階で、1つのシーンで決まった動作を繰り返すことしかできない。

第2、第3段階のロボットは、実生活で物を拾ったり、水を注いだりといった多様な操作シーンがあり、ロボットが自律的に環境を感知し、物体を理解し、状態を評価し、行動を予測し、物体操作を計画する能力が必要となる。ロボットには豊かな知覚、意思決定、実行能力が求められる。

騰訊のロボットのバーテンダーの動きを例にとると、ボトルやカップ、かき混ぜ棒といった物体が登場するだけでなく、ロボットがこれらのオブジェクトをつかむ、置く、注ぐといった従来の操作や、回す、振るといった両手協調動作に加え、投げる、ひっくり返すといった難しい動的操作が可能となっているのが特徴だ。

騰訊機器人実験室は2018年、広東省深セン市に設立された。

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