璞璘科技、光チップへのナノインプリント適用 コストはDUVの10分の1

中国の半導体製造装備メーカーの璞璘科技(杭州)(PRINANO、浙江省杭州市)は5日、深セン力策との協業により真空気圧式ナノインプリント方式を採用した8インチ光チップの量産化を達成したと発表した。同社が独自開発したPL-AS真空気圧式ウェハーレベルナノインプリントリソグラフィ装置と、カスタマイズされた二層インプリントレジスト材料システムおよびコアプロセスを組み合わせることで、DUV(深紫外線)リソグラフィー経路を完全に回避し、8インチ光チップウエハーのスケーラブルな量産化に成功した。さらにチップ製造コストを従来のDUV方式の10分の1に圧縮した。
璞璘科技はナノインプリント装置・材料の研究開発(R&D)に特化した企業。同社の公式サイトによると、2025年8月に独自設計・開発した初号機PL-SRシリーズ・インクジェットステッパー型ナノインプリント装置が検収を通過し、国内顧客に納品された。同装置は線幅10ナノメートル(nm)未満のナノインプリントリソグラフィプロセスに対応している。
ナノインプリントは光学露光を使用せず、「ナノスタンプ」による物理的な押印でナノパターンを複製する。超高解像度・量産容易性・低コスト・高い均一性という技術的優位性を持ち、現在のリソグラフィ技術の代替手段の一つとして注目されている。
グローバルメーカーの中では日本のキヤノンが先頭を走っている。キヤノンは2023年10月、商用機種「FPA-1200NZ2C」を正式発表した。これは世界初の半導体量産向けナノインプリントリソグラフィ装置であり、最小線幅14nmのパターニングが可能で、現在の最先端ロジック半導体の製造に必要な5nmノードに相当する性能を持つ。
ナノインプリントはコストと消費電力の面で顕著な優位性を持つ一方、テンプレートの寿命が短い・欠陥率がやや高い・インプリント速度が遅いといった弱点もある。その優位性が発揮されるのはメモリチップや光チップなどの分野であり、CPU/GPUなどのロジックチップ分野では課題が残る。したがってナノインプリントはリソグラフィ技術の「破壊者」ではなく、特定の分野における「補完者」と位置付けられる。以前の報道では、米メモリ大手のMicron Technology(マイクロン・テクノロジー)がメモリチップの製造コスト削減を目的にキヤノンのナノインプリント技術をいち早く採用する計画があると伝えられていた。




