中国メモリ大手の長シン存儲、26年Q1の純利益は330億元超

中国の国産DRAMメーカー、長シン存儲技術(シンは金が3つ、CXMT、安徽省合肥市)が17日に発表した科創板(スターマーケット)上場申請目論見書によれば、AI(人工知能)演算力革命が火付け役となったメモリ業界のスーパーサイクルの中で、今年第1四半期(1〜3月)の純利益は330億元(約7689億円)を突破した。現在のA株純利益ランキングで第8位に位置し、銀行・保険・エネルギーが長年独占してきた利益ランキングの構図を塗り替えている。

長シン存儲技術は24年には親会社に帰属する純利益が70億元超の赤字だったが、25年は18億7,500万元の黒字転換を達成した。

26年上半期(1〜6月)には売上高1,000億元超と、親会社に帰属する純利益は500億〜570億元(前年同期比2,244.03〜2,544.19%増)を達成する見込みだ。

22年〜23年上半期にかけて、DRAM製品の在庫水準が高く下流市場の需要が低迷し、業界は深刻な下降サイクルにあった。23年下半期から市場は徐々に回復し、製品価格は段階的に下げ止まり上昇に転じた。

25年には長シン存儲技術の主要DRAM製品の販売単価が前年比33.69%上昇し、26年第1四半期も価格の急速な上昇傾向が続き、売上高と粗利益率の急上昇を直接牽引した。25年下半期以降、世界的なAI演算力需要の持続的な増加と主要メーカーの生産能力調整などの要因により、世界のDRAM製品は供給不足となり、価格が大幅上昇する傾向を示している。

目論見書によれば、今年第1四半期に長シン存儲技術は爆発的な業績成長を遂げ、複数のコア財務指標が前年同期比で数倍から100倍以上の跳躍を実現した。

財務指標2026年Q1実績前年同期比
資産総額3,881億6,600万元+15.26%(2025年末比)
純資産1,916億500万元+24.34%
売上高508億元+719.13%(前年同期62億200万元から)
純利益330億1,200万元+1,268.45%
営業活動キャッシュフロー(純額)425億6,600万元+21,235.10%

長シン存儲技術は目論見書の中で、業績急上昇の主な要因として、DRAM業界における製品価格の持続的な急速上昇、および同社自身の生産・販売規模の持続的な拡大と製品ミックスの継続的な最適化を挙げている。

報告期間中、同社の生産能力は継続的に拡充されており、DRAM製品の販売量は急速に増加した。DDR(ダブルデータレート同期DRAM)シリーズとLPDDR(低消費電力DDR同期DRAM)シリーズの販売量の複合成長率はそれぞれ107.16%と76.93%に達し、いずれも急速な上昇傾向を示している。

世界市場シェアが7.67%に上昇

激しいグローバル競争の中で、同社の市場地位は着実に向上している。目論見書が引用する米市場調査会社Omdia(オムディア)のデータによれば、25年第4四半期のDRAM売上高ベースで、長鑫科技の世界市場シェアは7.67%に増加し、世界第4位となった。サムスン電子・SKハイニックス・Micron Technology(マイクロン・テクノロジー)の3社合計で90%超を占める状況との差は依然として大きいが、これは国内DRAM企業が世界市場で達成した歴史的な突破口だ。

国際大手との差をさらに縮めるため、長鑫科技は今回の科創板上場で295億元の資金調達を計画している。調達資金は主に以下の3大プロジェクトに投じられる。

プロジェクト投資額
メモリウェーハ製造量産ライン技術アップグレード改造プロジェクト75億元
DRAM メモリ技術アップグレードプロジェクト130億元
DRAM先端技術研究開発プロジェクト90億元

支配株主・実質的支配者なし

業績が力強く回復している一方で、長シン存儲技術は目論見書の中でリスクと課題も開示している。第1に、未補填損失の存在だ。25年末時点の累積損失は366億5,000万元に達する。第2に、マクロ経済変動と業界の周期的リスクだ。将来的にマクロ経済が悪化したり、DRAM業界が下降サイクルに入った場合、製品販売価格と業績に悪影響が生じる可能性がある。

第3に、巨額の固定資産と減価償却リスクだ。25年末時点の固定資産帳簿価額は1,830億2,400万元で、総資産の54.34%を占める。23年〜25年の固定資産減価償却額は105億5,500万元から246億8,000万元へと急速に増加しており、継続的な生産能力拡充により固定資産帳簿価額はさらに増加し、大規模な減価償却が業績に一定の影響を与える。

第4に、在庫評価損リスクも無視できない。23年〜25年末の在庫残高はそれぞれ141億8,000万元・212億1,500万元・293億9,000万元と増加しており、対応する在庫評価引当金も計上されている。特に業界下降サイクルにあった2023年には、在庫評価損が115億元に達した。

また、支配株主および実質的支配者が存在しないことによる意思決定効率と支配権変動のリスクも指摘されている。5%以上の株式を直接保有する株主は、清輝集電(21.67%)・長鑫集成(11.71%)・大基金二期(8.73%)・合肥集鑫(8.37%)・安徽省投(7.91%)であり、50%超を単独保有する株主は存在せず、株式構造は比較的分散している。

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