マレーシア半導体業界、ヘリウム供給不足なら操業停止懸念も=中東情勢で

中東情勢の緊張を背景に、マレーシアの半導体企業はヘリウム供給の途絶リスクを注視している。ただし現時点では、実際の操業停止などの影響は発生していないという。

愛集微などが伝えた。米国・イスラエルによるイラン攻撃によって、カタールの天然ガス処理事業に影響を及ぼしており、これに伴いヘリウム価格は大幅に上昇している。ヘリウムは半導体や医療用画像機器に不可欠な原材料であり、液化天然ガス(LNG)の生産過程で副産物として得られる。そのため、LNGの生産減速は世界的な供給に波及する可能性がある。

マレーシア半導体業界協会(Malaysia Semiconductor Industry Association、MSIA)のWong Siew Hai会長は、世界の主要半導体メーカーの多くが十分な在庫を確保し、調達先の多様化を進めていると説明。マレーシアに拠点を置く企業も同様の対応を取っており、短期的なリスクは抑制されているとの見方を示した。同氏は「現状は業界全体の警戒感を高め、リスク監視を強化する段階にとどまっており、マレーシアの半導体事業に実質的な供給途絶が発生したとの報告はない」と述べた。

さらに、マレーシアの半導体メーカーは、調達先の分散、在庫の積み増し、サプライチェーン連携の強化などを通じてリスク管理を進めていると指摘し、これは他地域の企業と共通する戦略だと強調した。

また、同国で主にチップの組立・テスト・パッケージング(ATP)を担う企業については、ヘリウム依存度が比較的低く、作業の多くを窒素で代替できるため、影響は限定的とみられている。

マレーシアには、米Intel(インテル)、独Infineon Technologies(インフィニオン・テクノロジーズ)、スイスSTMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)といった世界的半導体企業向けのサプライヤーや工場が集積している。世界の半導体取引の約7%が同国を経由しており、さらに組立・テスト・パッケージング分野では世界シェアの約13%を占めるなど、グローバルサプライチェーンにおいて重要な役割を担っている。

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