韓国、アフリカ諸国からリチウムやレアアースを調達強化
中国依存から脱却へ
韓国は、アフリカ諸国から電気自動車(EV)やスマートフォンの生産に不可欠なリチウム、黒鉛、レアアース(希土類)など鉱物の調達を拡大する。鉱物の中国依存から脱却を目指す。
韓国の尹錫烈(ユン・ソンニョル)大統領は4、5日の両日、韓国ソウルにアフリカ連合加盟48カ国の首脳と代表団を招き、「韓国・アフリカ首脳会議(KOREA-AFRICA SUMMIT)」を開催した。イベントでは、各国との協力強化のための制度的基盤として「韓国・アフリカ重要鉱物対話」を立ち上げることに合意した。
共同声明では、「先端産業における韓国のリーダーシップと、世界的に重要な重要鉱物資源地域としてのアフリカの重要性を認識し、重要鉱物関連産業の発展を促進するため、小規模な二国間レベルも含め、互恵的な協力と知識の共有を拡大する必要性を強調する」としている。
韓国の産業通商資源省は昨年、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン、黒鉛を含む10種類の鉱物を「重要」に分類し、2030年までに特定の国・地域への依存度を50%以下にすることを目標に掲げた。 同政府のデータによると、韓国は22年にリチウムの64%、黒鉛の94%を中国から輸入している。
韓国経済はサムスン電子をはじめとするハイテク企業が多く、世界のEVシフトに伴って電池メーカーの重要性がますます高まっている。米中間の地政学的緊張が高まる中、鉱物資源に依存するメーカーは供給網(サプライチェーン)の多様化を計画しており、アフリカ諸国はその計画の大きな一部になるとみている。
ナミビア投資促進開発委員会のNangula Uaandja委員長は「韓国が特定した10種類の主要原材料のリストを見ると、ナミビアは2種類を除くリチウム、マンガン、グラファイト、5つのレアアースを供給できるだろう」と話している。韓国がナミビアの鉱物探査に参加するよう促し、欧州連合(EU)や日本とも話し合いが持たれていると明かした。
南アフリカの鉱業コンサルタント会社MSA GroupのIan Haddon最高経営責任者(CEO)は、「韓国政府は、国内の電池メーカーと協力し、輸入調達網の多様化、特定の主要鉱物の埋蔵量の増加、投資インセンティブの提供、特に海外資源開発への投資に対する税額控除、韓国企業への融資、保証、保険の提供など、非常に重要な措置を講じている」と述べた。
韓国は30年までに、アフリカ大陸に対する政府開発援助を100億米ドル(約1兆5630億円)に拡大し、同地域でビジネスを展開する韓国の輸出企業に140億米ドルの融資を提供する計画だ。