マスク氏のニューラリンク、脳内チップ初移植が完了

Neuralinkの脳に埋め込む小型デバイス(Xアカウントより)

米国の実業家イーロン・マスク氏は29日、自身が設立したベンチャー企業、NEURALINK(ニューラリンク)が人の脳に小型チップを埋め込む1例目の臨床試験(治験)を完了したと発表した。両手足がまひした治験参加者を対象に行い、術後の経過は良好という。

(マスク氏のXより)

マスク氏はX(旧ツイッター)への投稿で、ニューラリンクの最初の製品が「Telepath(テレパス)」という名称になると表明。四肢がまひした患者が自身の思考でスマートフォンやパソコンを操作できるようになるとした。

ニューラリンクは2016年に米カリフォルニア州に登記され、マスク氏の個人資金で運営されている。23年に米食品医薬品局(FDA)から治験を始める承認を取得し、同年9月に人を対象とした治験の募集を始めたと明らかにしていた。

マスク氏はニューラルリンクの最終的な目標は「人とAIとの共生を可能にする」ことだと語っている。脳内チップの埋め込み手術を肥満症や自閉症、抗うつ病、精神分裂症などの疾病の治療に生かしていくことを目標としている。

業界専門家は、脳内チップの人への安全性が証明されても、商業化の許可が下りるのは10数年後になるだろうと予測。技術面や倫理的な問題をクリアし、かつ広範な実証実験を繰り返す必要があると指摘した。

NEURALINK

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