全国ビッグデータ処理ネットワーク、ハブ建設に着手
中国国家発展改革委員会(発改委)イノベーション・ハイテク発展司の瀋竹林司長は、26日に貴州省貴陽市で開催された中国国際ビッグデータ産業博覧会の開幕式で、全国統一的なビッグデータ処理ネットワークの中核拠点となる国家ハブの建設に着手すると宣言した。
中国の通信ネットワークは、人口が密集する北京、上海、広東といった一線都市に拠点が集中しており、データセンターの設置場所はこれらの都市部に集中してきた。しかし、データセンターの市場規模が急速に拡大するにつれて、土地供給やエネルギー保障、気候条件などに求められるハードルが上がり、東部沿岸の一線都市だけでは需要に対応できなくなったため、政府はデータセンターネットワークの再構築に着手する方針を固めた。
データセンターネットワークのハブ拠点は、京津冀(北京・天津・河北)、長江デルタ、粤港澳大湾区(広東・香港・マカオビッグベイエリア)、成渝(成都、重慶)、貴州、内モンゴル、甘粛、寧夏に設置する計画。これらのエリアを大規模データセンターが集積するデータセンター・クラスターとして発展させて、データセンターネットワークの構造を最適化。データセンターの運用に必要な電気などのエネルギー供給を保障する。また、各ハブ拠点間に高速データセンターの直通ネットワークを建設し、東部と西部を連結させた新しいデータ処理ネットワークを構築する構想だ。
そのうち、京津冀、長江デルタ、粤港澳大湾区、成渝といったユーザー規模が比較的多いエリアに設置するハブ拠点では、都市中心部と周辺地域のデータセンターの配置を統括的に計画し、データセンターの供給構造を最適化して、演算能力の向上につなげる。
また、再生可能エネルギーが豊富な貴州、内モンゴル、甘粛、寧夏のハブ拠点は、データ処理サービスの質と利用効率の向上に重点を置くほか、全国の非リアルタイム性データ処理の需要をまかなう役割を担う。