DeepSeek、ファーウェイの昇騰チップ設計に深く関与か

学習工程で「脱エヌビディア」を推進

中国のAI(人工知能)開発企業、杭州深度求索人工知能基礎技術研究(DeepSeek、ディープシーク、浙江省杭州市)は中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、広東省深セン市)と緊密に連携し、同社の次世代AI半導体の設計に関与しているもようだ。この協力関係は、通常のサプライヤーと顧客の関係を超えるもので、中国を代表する2社が連携を強化し、米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)製半導体への依存度を引き下げようとする動きを示している。

報道によると、ファーウェイのエンジニアは段階的にDeepSeekの拠点に入り、同社の要望に基づいて設計の調整を進めてきた。こうしたフィードバックには、モデルの計算処理やデータ処理の手法などが含まれ、2027年初めの投入を目指す半導体の設計に反映される見通しだ。

DeepSeekの創業者、梁文鋒氏は、AIモデルの学習工程における国産半導体の利用比率を段階的に引き上げる方針を示した。投資家に対しては、将来的にファーウェイ製半導体のみでモデルの学習を完結させることを目標に掲げたという。

報道によると、DeepSeekはファーウェイが最近発表した「昇騰(Ascend)950T」を事前学習に採用する計画で、早ければ2026年末にも利用を開始する可能性がある。

一方、ファーウェイは2027年に生産する「昇騰960DT」チップの大半をDeepSeek向けに供給する計画だという。DeepSeekはこれらのチップを、モデルの学習と推論の双方に使用する見通しだ。

現在、DeepSeekは主に推論工程でファーウェイ製チップを利用している。一方、より高い計算能力を必要とする学習工程では、依然としてエヌビディア製チップへの依存が続いている。

ただ、中国市場におけるエヌビディアのシェアは低下している。報道によると、2026年上半期の同社の中国市場シェアは34%に落ち込み、ファーウェイが28%で続いた。ファーウェイの輪番会長を務める徐直軍氏は、昇騰アクセラレーターの中国国内販売台数がすでにエヌビディア製品を上回ったと述べている。

DeepSeekによるオープンソースのプログラミング言語「TileLang」への貢献も、エヌビディアのエコシステム上の優位性を弱める可能性がある。

TileLangは北京大学の研究者らが開発したもので、異なる半導体に対応できる点が特徴だ。DeepSeekはその後、同プロジェクトの主要な利用者・貢献者の一つとなっている。

2026年9月、DeepSeekはTileLangによる昇騰チップのサポートを発表した。複数のチップに対応するTileLangは、エヌビディア製GPU向けに最適化された独自の開発基盤「CUDA」と対照的な仕組みだ。

CUDAのエコシステムは長年、エヌビディアの競争力を支える重要な要素となってきた。顧客が別のメーカーのチップに切り替える場合、既存のプログラムの多くを書き直す必要が生じるためだ。異なる半導体間でコードを再利用しやすくする仕組みが普及すれば、こうした移行コストの低下につながる可能性がある。

ファーウェイは、単一チップの性能面での制約を補うため、複数の昇騰チップを大規模に接続する「超ノード(スーパーノード)」の構築を進めている。

現在、同社は昇騰910Cを搭載した超ノードを1,000基以上導入しており、最大100万個のNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)を搭載できるアーキテクチャーも設計済みだという。

今回の協力が実現すれば、中国のAI産業では、半導体の供給だけでなく、チップ設計、ソフトウエア開発、AIモデルの学習基盤までを連携させる動きが一段と進む可能性がある。DeepSeekとファーウェイの協業は、エヌビディアを中心とする既存のAI半導体エコシステムに対抗する中国独自の技術基盤づくりという観点からも注目される。

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