中国の光通信技術に需要拡大、生成AIブームで

NVIDIAからも受注か

光を利用して情報を伝送する通信技術、光通信。生成AI(人工知能)の需要拡大で世界でもトップクラスにある中国の光通信・光インタコネクトモジュール業界への関心が高まっている。

光通信業界の市場調査機関Light Countingによると、2023年の世界の光モジュール業界のトップ10には、中際旭創科技、華為技術(ファーウェイ)、光迅科技、海信寛帯、新易盛、華工正源、索爾光など中国7社がランクインした。

中際旭創科技は2020年12月、クラウドデータセンター向けに800GプラガブルOSFPと高速光モジュール「QSFP-DD800」を発売した。今年2月には、米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)が旭創科技の800G光モジュールに興味を持っていると市場で噂された。エヌビディアの最先端GPU(画像処理半導体)は高度な光モジュールを必要とし、GPUは6〜8個の光モジュールを搭載すると報じられている。

中智旭電が23年、海外で販売した光通信トランシーバーモジュールは489万個に達し、売上高は90億7200万元(約1994億円)に達した。今年第1四半期(1〜3月)の売上高も48億4300万元となっている。

中国企業による関連技術の開発も進んでいる。新易盛はこのほど、「一種の耐短絡電磁遮蔽材料と調製方法及び応用」という題名の特許を出願した。特許要旨によると、電磁遮蔽材料の技術分野に関するもので、光通信モジュール内部の電子部品間の電磁干渉と短絡故障の問題を解決することができるという。

中国の通信大手、中国移動(チャイナ・モバイル)はこのほど、深セン市内のビルで世界初の800G中空光ファイバー伝送技術テストネットワークを開設した。単波800Gbpsの広帯域光伝送システムを使用して20キロメートルの単心光ファイバーによる双方向128Tb / sの超大容量伝送テスト行った。中空光ファイバーは、複雑なパイプラインネットワーク環境下での展開の実現可能性を持っていることを証明されたとしている。

■4月の輸出は110%増

生成AIに牽引されて、中国の光モジュールの需要も大幅に増加している。中国税関総署の最新データによると、2024年4月、中国の光モジュールの輸出額は前年同期比110.84%増の38億5100万元だった。

輸出拡大の背景には、特にエヌビディアやGoogle(グーグル)、Amazon(アマゾン)などの受注需要拡大があるとされ、今年の世界の光モジュール市場全体の売上成長率は27%に達すると予想されている。

18日付台湾メディア、経済日報によると、エヌビディアは電子機器受託製造サービス(EMS)大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の光スイッチ「NVLink」に関する大規模な独占OEM受注協力に達したとしている。この受注は、エヌビディアの「GB200」サーバー出荷の7倍に相当するという。

エヌビディアは2日、台湾で開かれた「COMPUTEX 2024」で、新しいGPUプラットフォーム「Rubin」とイーサネットプラットフォーム「Spectrum-X」を発表。さらにスイッチ「Spectrum-X1600」とネットワークカード「CX9-1600 SuperNIC」を26年に発売すると発表した。これにより、光モジュールの需要は1.6Tから3.2Tにアップグレードされる見通しとなっている。

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