鴻海、印ベダンタとの半導体合弁事業から撤退

電子機器の受託生産世界最大手である台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)は10日、インドの天然資源大手、ベダンタ(Vedanta)と立ち上げた半導体合弁会社から撤退したと発表した。2社が同合弁会社の設立を宣言してからわずか1年あまりでの合弁解消となり、半導体製造業の発展を目指すインド政府にとって打撃となる。

鴻海とベダンタは22年2月、同合弁会社を設立することで合意。半導体産業生態系の構築というモディ政権が描く青写真に呼応し、モディ首相の故郷であるグジャラート州に195億米ドル(約2億7,444万円)を投じて、半導体ウエハーとディスプレイ工場を設立する計画を明らかにした。半導体ウエハー工場は、25年に稼働開始し、12インチウエハーを月4万枚を生産する計画だった。

鴻海はベダンタとの合弁解消の理由を明らかにしていない。10日の発表では、「ベダンタとの共同の半導体理念をインドで実現することに尽力し、提携により実り豊かな果実を手にしたが、より多元的な発展機会を探るため、合弁会社の運営に参与しないことを決めた」と表明。合弁会社はベダンタの100%出資会社に改め、社名から鴻海の文字を外すことを明らかにした。

またベダンタも、鴻海の発表前の7日、鴻海との現地での半導体製造合弁事業の所有権を持ち株会社から引き継ぐと発表していた。

鴻海の決定については、合弁会社がインド政府に申請した半導体補助金に関し、28ナノメートル(nm)プロセスでは技術要件的に承認が得られていないことが理由との見方もある。インドでの半導体製造事業は現地サプライチェーンが乏しいこともあって生産コストが高く、補助金を得られなければ事業継続は難しいとされる。

ただ、ベタンタと鴻海の合弁事業は、技術提携先として欧州のチップメーカー、STマイクロエレクトロニクスとの交渉が停滞していることなどに影響を受け、遅々として進んでいないとされていた。

もっとも、ベダンタは、自社の半導体製造計画に変更はなく、新たなパートナーと協力し、インド初の半導体ウエハー工場設立を目指すと表明した。

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