米、「AEB全車搭載」時代到へ 中国の搭載率は50%

米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は現地時間の5月31日、全ての乗用車とライトトラックに自動緊急ブレーキ(AEB)の搭載を義務付けることを盛り込んだ草案を発表した。中国では乗用車へのAEB搭載を義務づける明確なルールはないものの、今後は搭載が進んでいくとみられる。

草案は、時速最高62マイルまでの走行時に、前方車両との接触を回避し、停止できるようにすることを求めるとともに、AEBシステムが夜間の歩行者を認識し、回避することも義務付ける内容。米国では昨年9月以降に販売された新車のほぼすべてにAEBが搭載されるようになっており、同草案が可決されれば、3年後にAEBの全車搭載が義務付けられることになる。

NHTSAは、この規則案が最終決定されれば、少なくとも年間360人の命が救われ、年間2万4,000人の負傷者が減少すると予測している。

追突事故を低減できるAEB搭載車は、センサーを始めとするハードウェアのコストが下がる中で、マーケットが拡大している。

■中国では誤認識事故も

盖世汽車によると、中国では乗用車へのAEB搭載を義務づける明確なルールはなく、乗用車の標準装備率は50%にとどまるのが現状だ。

AEBの性能にも改善の余地がある。中国では先ごろ、AEB搭載車の理想汽車(Liオート)の「理想L7」が時速80キロで走行中に突然20キロまで減速し、その後停車するという事案が発生。保有者がメーカーに問い合わせたところ、「高性能センサーLiDER(ライダー)が看板に描かれた、走り出そうとする人物を、道路上に人がいると誤認識し、緊急停車した」と回答されたという。

NHTSA Proposes Automatic Emergency Braking Requirements for New Vehicles

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