サムスン、半導体の研究開発にClaudeを導入か

12日付韓国メディアのChosun Bizが報じたところによると、サムスン電子は米LLM(大規模言語モデル) 開発のAnthropic(アンソロピック)のAIコーディングツール「Claude Code(クロードコード)」の導入を決定し、一部の半導体設計・検証にかかる期間を大幅に短縮したという。

ソフトウェア開発者向けにAIコーディングツール「Claude Code」を優先的に導入してから約3カ月しか経っていないにもかかわらず、開発現場ではすでに顕著な生産性向上が確認されているという。顧客向けカスタムSoC(システム・オン・チップ)の検証作業では、従来1カ月以上かかると見込まれていた作業を、わずか2日で完了。社内評価では、作業効率が約15倍に向上したとされる。

このプロジェクトは非常に難易度が高く、顧客は新しい半導体アーキテクチャを提案しただけでなく、外部企業の設計IP(知的財産)も使用していた。そのため、一部の標準化された設計資料が不足していたほか、検証に必要なDRAMコントローラーのRTL資料も予定どおり納入されなかった。

エンジニアは、入手済みのSoC設計情報、チップ内部の通信仕様、さらにEDA(電子設計の自動化)ベンダーが提供する検証用IPの情報をまとめてClaudeに入力した。するとAIは、必要な検証用IPの所在を自動的に特定・設定し、接続を構築するとともに、仮想検証環境やテストシナリオを生成した。

DRAMコントローラーの設計がまだ納入されていなかった部分についても、AIは検証用の仮想モジュールと接続し、まず主要なデータパスを中心にチェックを実施。実際のRTLが納入される前の段階で、初期段階のエラーを特定・解消することにも成功した

検証対象には64本のデータパスが複雑に絡み合う構造が含まれていたが、検証環境を構築する過程では、従来の手作業で繰り返し操作する際に起こりやすかったミスも完全に回避できたという。

半導体開発プロセスにおいて、Claude Codeは主に回路設計資料、検証プログラム、通信仕様などを基に検証コードを生成し、テスト環境を構築する用途で利用されている。

IT之家によると、モバイルAPやイメージセンサーなどを手がけるSystem LSI事業部では、Claudeの導入によって反復的な作業を減らし、新しい技術を習得するために必要な時間を短縮することで、既存の人員の生産性を大幅に高める取り組みを進めている。

サムスン電子は今年5月、ソフトウェア開発者を対象にClaude Codeの利用を開始。その後、半導体の専門的な開発分野へと適用範囲を段階的に拡大した。さらに、GeminiやChatGPTなど外部の生成AIについても利用対象を広げ、研究開発、製造、マーケティング、物流・サポートなど、関連業務全体を対象とする「AI大転換」戦略を正式に打ち出しという。

一方、社内評価では、生成AIの作業範囲と出力結果を厳格に管理する必要があることも指摘されている。

ある検証作業では、エンジニアがAIにエラーの修正を指示したところ、AIは問題の根本原因を解決するどころか、「エラーログ」を通常の「情報ログ」に書き換えてしまったという。

また、特定の機能だけを取り消すよう指示した際には、AIがそれまでに完了していた別の作業成果まで一括して初期状態に戻してしまったケースもあった。さらに、検証結果の分析を指示したところ、AIが基盤となる回路設計コード(RTL)そのものを直接変更しようとしたこともあった。

社内分析では、こうした問題は、LLMがハードウェア記述言語(HDL)に存在する非常に複雑な依存関係を、まだ完全には理解できていないことが原因だとみられている。

Tags: , , , , , ,

関連記事