中国政府、華為の「昇騰」など国産AIチップを初めて安全可信リストに収録

中国信息安全測評センターと国家秘密科技測評センターは共同で26日、「安全可信測評結果公告(2026年第2号)」を発表し、初めてAI(人工知能)学習・推論チップを安全可信測評システムに組み込んだ。国内7社の9製品の国産AIチップがすべて安全レベルI級の認証を取得した。これは国産AIコンピューティングインフラが正式に国家信創安全認証体系に組み込まれたことを意味し、信創プロジェクトが従来のCPU・OS・データベース分野からAIコアハードウェアへと全面的に拡張されたことを宣言するものだ。
今回認証を取得した9製品は以下の通りだ。中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、広東省深セン市)傘下の深セン市海思半導体(ハイシリコン)の「昇騰310」と「昇騰910」の2製品が選出された。昇騰310はエッジコンピューティングと推論シーンを主な対象とする高エネルギー効率AI推論プロセッサであり、昇騰910はAI学習シーン向けのフラッグシップチップでファーウェイ昇騰エコシステムのコアとなる算力基盤だ。2025年のファーウェイAIプロセッサ出荷量は約81万2,000個で、2026年のAIプロセッサ事業収益は120億ドルを突破すると予測されている。
中国IT大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ)傘下の平頭哥半導体は「真武M530」と「真武M890」の2製品が選出された。平頭哥はアリババグループのチップ研究開発主体であり、真武シリーズはAI推論チップ製品ラインとして、アリクラウドの膨大な算力需要シーンを活用しながら反復開発が進められている。
壁仞科技(上海)は「壁砺™166」が選出された。壁仞科技は国内汎用GPU分野の代表的企業であり、壁砺シリーズはAI学習・推論やグラフィックスレンダリングなどのシーンをカバーする高性能汎用GPUとして位置づけられている。
海光信息は「DCU-3G」が認証を取得した。海光信息は科創板上場の国産プロセッサ大手であり、そのDCU(深度計算ユニット)シリーズ製品は主流のCUDAエコシステムと互換性を持ち、データセンターのAI計算と高性能計算を主な対象としている。
天数智芯(上海)はKCC-V100Xが選出された。天数智芯は汎用GPU研究開発に特化した国内のチップ設計企業であり、製品はクラウドサイドのAI学習と推論をカバーする。
沐曦集成回路(上海)はMXC600が選出された。沐曦は高性能GPUチップ設計に特化しており、その曦思シリーズ製品はAI推論とデータセンターアクセラレーションを主な対象としている。
摩爾線程(北京)はPH100が選出された。摩尔線程は国内のフル機能GPU企業であり、製品はグラフィックスレンダリング・AI計算・動画エンコード・デコードを同時にサポートする。なお、上記すべての認証は発表日から3年間有効だ。
国盛証券の分析によれば、「安全可信測評業務ガイドライン(V3.0)」では、従来のコンピュータ端末・サーバー向けのCPU・OS・データベースに加え、AI学習・推論チップおよびレーザー・インクジェットプリンタ主制御チップの測評要件が新たに追加された。今回AIチップが安全可信測評フレームワークに組み込まれたことは、信創カタログ体系における重大な品目拡張だ。
これにより、上記9製品の認証結果は、政府・企業および重要情報インフラ単位がAIチップを調達する際の事実上の準入カタログとなり、信創業界がAI学習・推論チップを選定する際の権威ある公式ガイダンスを提供することになる。
国産AIチップ市場シェアはすでに41%に
中国のチップメーカーは米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)など海外メーカーの国内市場シェアを継続的に代替している。データによれば、2025年の中国AIサーバー市場では約400万個のAI GPUが納入され、そのうち国産チップの割合はすでに41%に達している。モルガン・スタンレーは、2030年までに中国のAIチップ市場規模は670億ドルに達し、国産チップが市場需要の約76%を満たすと予測している。安全可信測評カタログの整備により、国産AIチップが政務・金融・通信・エネルギーなどの重要産業への浸透を一段と加速させることが期待される。
なお、今回の公告では同時にデータベース分野の測評結果も発表された。集中型データベースでは達夢・アリクラウドPolarDB・ファーウェイクラウドTaurusDB・ZTEのGoldenDBなど8製品が、分散型データベースではファーウェイクラウドGaussDB・天翼雲TeleDB・アリクラウドAnalyticDBなど15製品が認証を取得し、信創エコシステムのソフトウェア層の充実がさらに進んだ。




