米アップル、インドで追い風代工先への生産設備提供に5年間の非課税措置

インド政府は1月31日、特定の区域において外国企業が契約製造業者(代工先)に生産設備を提供した場合、最長5年間、税務上のリスクを負わないことを認めると発表した。インドで生産拡大を進める米Apple(アップル)にとって大きな追い風となる見通しだ。

近年、アップルはサプライチェーンの一部を中国以外の地域へ分散させており、インド市場での事業は着実に拡大している。調査会社カウンターポイント・リサーチによれば、2022年以降、インド市場におけるiPhoneのシェアは倍増し、8%に達した。中国は依然として世界全体のiPhone出荷量の約75%を占めているものの、インドの出荷比率は同期間に3倍に拡大し、25%にまで成長している。

アップルはこれまで、契約製造業者に高価格帯のiPhone生産設備を提供する際、設備の所有権を理由にインドで課税されないよう、所得税法の改正を政府に働きかけてきた。

中国とは異なり、インドではアップル自身が資金を拠出して代工先向けに設備を購入した場合、法律上「商業的関係(ビジネス・コネクション)」と見なされ、iPhoneの販売利益に課税される可能性があることが懸念されていた。このため、これまではフォックスコンやタタ・グループといった提携代工企業が、自ら数十億ドル規模の資金を投じて生産設備を購入せざるを得なかった。

インド政府は、「契約製造業者による電子製品生産を促進する」ことを目的に関連法令を改正し、外国企業が設備の所有権を持つことのみを理由に課税しない方針を明確にした。この決定は、ニルマラ・シタラマン財務相が提出した2026〜27会計年度の予算案の一部として公表された。

この措置により、アップルをはじめとする企業は、インドの電子製造分野への投資を一段と加速させる見通しだ。企業自身が高額な設備の初期投資を負担することで、契約製造業者の資金面の負担が軽減されるとみられている。

予算発表後の記者会見で、インド税務省のアルウィンド・シュリヴァスタワ長官は、「設備をインドに持ち込み、現地メーカーがそれを使って生産を行う場合、5年間の免税措置を与え、企業に明確な政策上の安心感を提供する」と述べた。

スマートフォン製造は、ナレンドラ・モディ首相が掲げる経済成長戦略の中核分野の一つでもある。

今回の法改正の有効期限は30〜31会計年度までで、対象は税関保税区内に設置された工場に限定される。これらの区域は法的にはインドの関税圏外と見なされており、保税区内で生産された製品をインド国内で販売する場合には、引き続き輸入税が課される。このため、保税区の工場は主に輸出向け生産において魅力を持つ仕組みとなっている。

インド政府は予算の説明資料の中で、「外国企業がインドの契約製造業者に生産用の資本財、設備、または金型を提供することで得られるいかなる収入も、免税対象となる」と明記している。

税務専門家は「この免税措置は、インドの電子製造業における重要な協業上の障害を取り除くものだ。最終的には、世界の電子機器メーカーによるインドでの生産能力拡大を加速させ、投資家の信頼感も大きく高めるだろう」と評価した。

ロイター通信によれば、アップルは既存の法制度が将来的な事業展開の足かせになることを懸念し、ここ数カ月にわたりインド政府関係者と複数回にわたって協議を重ね、法改正を後押ししてきたという。

IT之家によると、従来の規定は韓国サムスン電子には影響していなかった。サムスンはインド国内で販売するスマートフォンのほぼすべてを、自社所有の工場で生産しており、契約製造業者への委託に依存していないためである。

Tags: , , , ,

関連記事